スズメをてなずけるおじいさん

 先日道庁の横を通りかかったら、スズメに餌をやっているおじいさんがいました。

北海道庁の赤レンガの建物があるところは、街の真ん中で緑と池に囲まれた観光スポットになっています。
ちょうど前を通りかかったら、池の傍らのベンチに座ったおじいさんの周りにはたくさんのスズメが寄ってきていました。毎日餌を与えているのか、スズメもすっかりなれている様子で、空中でホバリングをしながらおじいさんの指先から直接餌をくわえていきます。
スズメって警戒心の強い鳥だと思っていたのでこんなに人に慣れるのかとびっくりしました。

 用事を終えて、また道庁の横を通りかかったので、池のそばのベンチまで行ってみました。
おじいさんはもういませんでしたが、ベンチに腰掛けていたらスズメが寄ってきました。どうやら誰でも餌をくれるものだと思っているようです。
座っているベンチの隣にちょこんと飛び乗って、さらに寄ってきます。餌を持っているふりをして、指を差し出すと5センチほどそばまで近づいてきました。スズメをこんなに近距離で見たのは初めてでした。

もちろん僕はスズメを横に座らせて
「野鳥が人に媚びて生きてちゃいけないよ。自分の餌は自分で採りなさい」
と、懇々と説教をしたのでした。




異国の自転車野郎、山頂に立つ

 円山は、冬でも結構登っている人が多い。僕も簡易アイゼンを靴に巻き付けて時々登っている。ある日、いつものようにとろとろ登っていると、外人さんの青年(学生?)が、自転車をかついて早足で追い越していった。
山頂に着くと、すっかり休憩を終えたその外人さん一人だった。挨拶を交わすと(日本語が通じた)、カメラを渡されて
「写真ヲ撮ッテクダサイ」と頼まれた。
自転車を抱えて雪の山頂に立ったところをパチリ。
訊ねると、「練習中デス」とのこと。彼は早々に自転車にまたがって降りていった。
でもねぇ、結構深いよ、この雪。自転車進むのかしらん。

しばらくたって、自転車のタイヤの跡をたどるように下山した。
案の定、ちょっと進んではボコッ、また進んでは、ボコッと尻餅の跡が続いている。

はたして彼は、雪山を自転車で下りることが練習だったのか(そんな競技あるの?)、それとも自転車を担いで登ることが練習だったのか。
謎だ。




熊が働いているオフィス

 日之出ビル8階に熊が働いているオフィスがある。
その前を通りかかると、いつもドアが開いているのでつい中を覗いてしまう。
だってデスクがひとつあって、椅子にはでーんとばかでかいテディベアが腰掛けているんだもの。
小さな事務所らしいけど、外から見る限り働いているのは彼一人のようだ。
奥に誰かいるのかもしれないが、廊下からは見えない。表には事務所の名前も出ていないし、いったい何の会社なのだろう。
とっても気になるけど黙々と働いている(ようにみえる)熊に何の仕事をなさっているのですか?と尋ねる勇気はちょっと無い。

・その後、久しぶりに日之出ビルに行ったら彼はいなくなっていた。
 リストラされたか?




再度、胃カメラ

 最初の胃カメラからひと月。

胃潰瘍が治ったかどうか再確認のため、もう一度胃カメラを飲むことになった。

またあの苦しみを味わうのかと思ったら、胃に穴があきそう。
一週間前の風邪も治りきっておらず、鼻が詰まった状態でカメラを飲んだら、息が出来ないんじゃないかとかいろいろ心配してしまう。
そもそもこういう細かいことを心配してるから胃潰瘍になるんだろうね。

 結局カメラもうまく飲めて、胃潰瘍も治ってた。
それにしても綺麗に胃袋の中が映るものである。光ファイバーを通して中を照らしているんだろうけど、シャツをめくっておなかを見たら光が動いてるのが見えるだろうか?今度飲む機会があったら確認してみたい。




大正時代の埃にまみれる

 大正時代に建てられたO邸の存続を賭けて、我々は建物の調査をすることになった。わたしには成り行き上床下に潜って、基礎の具合を調べる任務が与えられた。床の点検口から入り、コードを引きずったライトを片手に3人で床下を匍匐前進。束石代わりに煉瓦を積んでいて通気はすこぶる良い。中は乾燥しており、土台の状態も年数を感じさせない程だ。

端から端まで這いずり回って寸法をとり、出てきたときには大正時代の埃にまみれて作業服も真っ黒だった。

事務所に戻り、着替えてから顔と手を石鹸でこすって洗った。
きれいになって、仕事に戻ったが、ふと気がつくとさっき洗ったはずの手がいつの間にか真っ黒になっている。
何だこれは!古い屋敷の呪いか?
とびっくりしたが、何のことはない。つい髪の毛をいじっているうちにたっぷりと埃を吸い込んでいた頭髪の汚れが手に着いただけだった。
汚ねぇ奴!

家に帰って早速銭湯に行った。おうちのお風呂は汚れてしまいそうだったから。風呂掃除はあまり好きじゃない。

銭湯で、白い桶を下に置いてシャワーで髪にお湯をかけてたらたちまち桶のお湯が黒くなった。周りに気づかれないようにそっと流す。シャンプーでごしごしした。
やっと大正時代から現代に戻ってきた気分。あ〜、さっぱりした。

・その後私は担当をはずれてしまい、残念ながら大正時代のおうちは、取り壊されて今
 は新しい家になりました。ちょっと残念。




暗い林の中、後ろからひたひたと迫り来るもの

 気が向くと夜ジョギングをしている。

仕事を終え、家に帰った後なのでどうしても夜10時、11時になってしまうのだけれど、円山公園の周りを走っている。今日も暗い林の中を黙々と走っていた。

前方に18、9歳くらいの男二人と女一人が歩いているのが見えてきた。
夜の林の中は暗いし薄気味悪い。
彼らもおっかなくなってきたのか、三人で歌をうたいはじめた。
けっこうかわいらしいじゃない、と思いながらひたひたと近づいていく。
そして追い越そうとした瞬間一人がぎゃっと叫んだ。
それからばたばたと取り乱して駆け出そうとする三人。

わたしは何事もなかったかのように軽く手を振って走り去ったのでした。
何もそこまで驚かなくてもいいじゃない。
おばけじゃないんだから。




涙がでる映画

 むかしから目が非常に疲れやすい体質で、映画館で2時間も観ていると終わりの方では目がショボショボしてきて涙が出てきます。
結構いろんな映画を観に出かけるので、感動的な場面では涙があふれそうになることはありますが、この前観にいった「アルマゲドン」はちょっと待て、という感じでした。脚本もいい加減だし、無理矢理自分たちで危機的状況を作り出してるみたいで、途中でほんとにしらけてしまいました。特撮のすごい場面はテレビCMで全部出しちゃってるみたいだし。馬鹿にするなー!と思っていました。
が、しかし、エンドクレジットが流れる頃には自然に涙が流れてくるのです。
違うんだ。こんな映画で感動した訳じゃないんだ。周りの人に(みんな他人だ)言い訳したいくらいでしたが、それでも涙はあふれてきます。
気付かれないようにそっと指先でぬぐうのも恥ずかしかったです。

 ここ数年で涙が出るほど感動した映画は、金子修介監督の「ガメラ対ギャオス、大怪獣空中戦」です。福岡ドームから回転ジェットで飛び立つガメラを観て涙が出るほど感動しました。
巨大なカメが火を噴いて空を飛ぶという、ばかばかしい状況をこんなにもかっこよく演出してしまうとは。
怪獣映画を見て育った世代としては、やっと満足できる怪獣映画を観ることが出来たと思いました。
日本映画も若いスタッフたちによって何か新しいことが始まっているんではないかと予感させる映画でした。

・うーん、はたから見てると「アルマゲドン」で涙を流しているのとたいして変わらな
 い状況かなぁ。




ゴミの収集時間

 去年の10月から札幌市では、資源物収集とかいって、きちんと分別して中身の見えるゴミ袋でゴミを出さなければいけなくなった。
とっても良いことだよね。

ただ収集時間が正確になったのには参ってしまった。

今までは8時までにゴミは出しましょうとかいってたんだけど、そんな時間にゴミ収集車が来ることなんてなかった。だから出勤時の8時45分頃(会社まで15分なのさ)ついでに出せばよかったんだけど、10月からは、この時間だとすでにゴミを収集した後。
ゴミの袋を持ったまましょんぼりとマンションの7階まで戻るのってほんとに格好悪い。
それ以来朝起きて一番にゴミを出すようにしてる。

当初出勤時にゴミの袋を抱えたおじさんと、エレベーターで一緒になると思わず顔がにやついてしまったものでした。このおじさん、まだ知らないのだな。ヘヘヘヘッ。
案の定、ゴミステーションの前で立ちつくすおじさんを見ながら軽やかな足取りで会社に向かう私でした。

それにしても札幌市は、{資源物収集が始まります」のチラシを配るのは良いけど、ひとこと「時間も正確になりました」と書いて欲しかったな。




もののけじいさん

 最近は見ないのだけど、一時期出勤途中で、ばかでかい犬3匹をつれて自転車で散歩させてるおじいさんがいました。
シベリアンハスキーとゴールデンレトリバーかな。
自転車に乗った小柄なおじいさんをガードするように両脇から挟んで3匹の大きな犬が走っている。
犬に隠れて自転車が見えないと、まるで犬にまたがって走っているようでした。

いや、それだけの話なんだけど。




 



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